カタログは紙媒体の方が便利
今回は、WEBサイトに商品を並べる方法と紙媒体のカタログについて話をしてみたいと思います。説明の都合上、前者を「WEBカタログ」とし後者を「カタログ」とします。
インターネットは、企業にとっても低コストで情報を発信できることから非常に便利な媒体です。しかし、インターネットが普及してカタログがなくなるのでしょうか?。インターネットは、文字・静止画像・動画・音楽などを伝えることができる優れたメディアであることは間違いありませんが、我々の生活が全てデジタルになり、紙とペンがなくなることは決してないでしょう。
携帯電話にしても説明書はどんどん厚くなっていますし、電化製品にも必ず紙の説明書はついてきます。
そこでまず、思いつくままにそれぞれの利点と欠点を箇条書きにしてみます。
[WEBカタログの利点]
掲載する情報量が多い場合でも制限はない。
検索機能があれば多数の商品の中からでも簡単に絞り込める。
情報の更新が頻繁に出来る。
パソコンさえあれば世界中どこでも閲覧できる。
動画を利用することができる。
音を利用できる。
在庫の状況にあわせて情報をメンテナンスできる。
[WEBカタログの欠点]
パソコン等がなければ見ることが出来ない。
気に入った商品に印をつけられない。
色がディスプレイによって異なるので微妙な色を伝えられない。
別のページの異なる商品を並べて比較できない。
ディスプレイの正面にいる少数の人しか閲覧できない。
クオリティの高い大きなサイズ写真を使うと開くのに時間がかかる。
通信料金が定額でないサービスの場合料金が気になる。
[カタログの利点]
暇な時に気楽に見ることが出来る。
ある程度の厚さまでは、パソコンより軽く持ち運びに便利である。
媒体の場所を移動できるので多く人が閲覧できる。
写真をふんだんに使用することが出来る。
色の再現性が高い。
必要なページだけを切り取っておくことができる。
捨てられない限り目にとまる可能性がある。
途中まで見て中断するときも何か挟んでおけば良い。
厚さが薄いものなら現物サンプルをつける事ができる。
[カタログの欠点]
遠隔地にいる人に見せることが出来ない。
情報発信までのリードタイムが長い。
印刷コストがかかる。情報量が多くなると厚くて重くなる。
情報の更新や追加が出来ない。
印刷した後は修正出来ない。
保管場所を必要とする。
送る場合、コストがかかる。
不要になった場合ゴミとなる。
販売終了や製造中止の商品を削除できない。
他にも沢山あると思いますし、人によって意見の異なる部分もあると思いますが、こうしてみると、いくつかの大きな違いが見えてきます。
■色と写真はカタログに軍配
パソコンのディスプレイ売り場に行って見ると色の違いに驚かされます。ディスプレイに表示される色は、どれも同じではないのです。
したがって、WEBカタログで微妙な色にこだわったとしても、消費者のディスプレイによってかなり違う色になってしまうということです。
その点、カタログは印刷物ですから、印刷の前に「色校」という色を確認する段階があるように色は実際の商品に近いものになり、正しい色を伝えることができるのです。
また、WEBカタログで鮮明な大きな写真を載せようとすると、データサイズが大きくなりADSL等のプロードバンド環境でアクセスしているユーザーなら我慢できてもISDN等遅い回線では開くまでに時間がかかって見る気にもならないものになってしまいます。この点でカタログは、鮮明な写真をふんだんに使用しても「重くなる」ことはありませんので有利になります。
■カタログは優秀な営業マン
カタログは、自宅や会社に送られてきますが、WEBは自ら見に行かなくてはなりません。つまり、一見逆なようですが、WEBカタログは既存の店舗の感覚に近く、カタログは店舗が自宅や会社に来てくれる感覚なのです。
それも、後で説明しますが商品を厳選してくれるほか、どんな短い時間でも見ることが出来ます。
つまり、カタログは常に消費者の近くにいて、「暇な時に手元にあるから見て思わず買ってしまうという」行動に走らせる優秀な営業マンなのです。
■カタログはどこにでも移動できる
WEBカタログを見るためにはパソコン等の機器が必要です。そのため、パソコンがデスクトップ型であれば自宅や会社の中とはいえわざわざその場所まで移動しなければ見ることができません。もちろん携帯型のパソコンは移動できますが、電源の問題もありますし、通信回線の問題もあり、どこでもOKというわけにはいきません。
その点、カタログはお風呂の中でもベットの中でも関係なく移動できますし、字が読める明るさがあれば基本的には場所を選ばないのです。
まして、「パソコンを起動してインターネットに接続して・・・・」という余計な時間がかからないのが強みです。
■カタログはページ数に限度が有るから良い
カタログは、幾らでもページを増やせるわけではありませんので、おのずと「有るもの全てを載せる」のではなく、いいものを厳選して載せる必要が出てきます。
カタログは、ページ数に制限がありページが増えるとコストも上がりますので、売れない商品を掲載することはナンセンスなのです。カタログの制作コストから1ページあたりのコストを計算し、そのコストに見合った売上のある商品だけが掲載されるべきであり、コストに対して売れない商品は、カタログから除外していく必要があるのです。
つまり、売上の高い商品は多くのスペースを使用し、売上の少ない商品は少ないスペース、売れない商品はカタログから除外となるわけです。
そのことにより、各商品ごとの損益を意識することが必要になり、結果として商品を厳選することになります。
その点、WEBカタログの場合はレンタルサーバーでも最近はかなり容量がありますので掲載商品を制限する必要がありません。容量の許す限りどんどん商品を載せてもコストは変わらないのです。
このことは一見、制限がないWEBカタログの方が商品がたくさん掲載できて良いように思えるかもしれませんが、消費者から見ると商品がありすぎて迷う結果になる可能性があります。
制限のないWEBカタログは、企業側が個々の商品の損益を意識することが必要なくなるので「とりあえず何でも掲載してしまう」傾向が強くなります。何か目的の商品が決まっていてどうしてもその商品を探したいという消費者にはたくさん商品があるほうがいいかもしれませんが、大半の「特別欲しい物があるわけではないけれど見てみよう」という消費者を取り込むことは検索機能等がよほど充実していないと難しくなります。
■印をつけておける便利さ
カタログは、印をつけておけるので便利です。
暇な時にカタログを見て、何か用事で席を離れるときなど、何か挟んでおけばいつでもその続きを見ることが出来ます。
それ以外でも、異なるいくつかのページに気になる商品がある場合など、ポストイットなどを貼り付けておけばいつでも簡単に比較することが出来ます。
それに対して、WEBカタログの場合は簡単に印をつけておくことは出来ません。
ショッピングカートに取りあえず入れておくという方法もありますが、ブラウザーを閉じてしまえば、全てクリアされてしまうので、また最初から見ることになります。
気になる商品が複数あるときも画面をいくつも立ち上げれば見えないこともありませんが、決して見やすいとはいえません。
■まとめ
どちらかというと、WEBカタログは情報を発信する側から見ると非常に都合のいいもので、消費者から見ると必ずしもそうではなく、カタログの方がいつでもどこでも好きなときに見て、途中で何か用事が出来て席を離れなくてはならない場合でも、その続きを後から簡単に見ることが出来るなど便利な点が多くあります。
このことから、少なくともパソコンの起動時間がほとんどかからなくなり、バッテリーを心配する必要がなくなるほど性能が向上し、回線が今以上にスピードアップし、通信コストが大幅に下がったとしても、カタログの便利さはなかなか超えることが出来ないと考えられます。
つまり、WEBカタログとカタログのどちらか一方ではなく、それぞれの利点をうまく組み合わせて活用することが必要になるということです。
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