パーソナライズとは
パーソナライズ(personalise)とは、「各個人に合わせる」とか「特定の個人に対して言われたものと考える」などの意味ですが、「One
to Oneマーケティング」にとって非常に重要なことです。
「One to Oneマーケティング」についてここで詳細に説明する必要もないと思いますが、分かりやすく言えば、一昔前の商店街の商店の店主が奥さん一人ひとりの好みを覚えていて、売れそうな商品を的確に薦めるのと同じことをデータベースの中に蓄積されている何万何千の顧客一人ひとりに対してコンピュータを駆使して実現しようとするものです。
インターネットが普及するまでは「One to Oneマーケティング」の対極にある「マスマーケティング」の考え方が主流で、テレビやラジオなどのマスメディアを利用し、商品情報を不特定多数の消費者に告知し大量に同じ物を販売する手法が中心でした。
少し前までの作れば売れた時代は、それでも何の問題もなかったし、あえて顧客一人ひとりのニーズに応じる必要もなかったのです。
しかし、現在は商品が溢れ生活必需品が不足している時代ではなくなり、消費者は個性を大切にする時代になったのです。
昔から消費者にはそうしたニーズはありましたが、市場として小さかったり、インターネットという便利な情報伝達手段がなかったために、企業が顧客からそうしたニーズを聞き出すことも難しく、企業は消費者を全体としてとらえ、最も大量に売れそうな商品をつくり販売するしか方法がなかったのです。
つまり、「One to Oneマーケティング」は、インターネットが普及するまでは、理論としては存在しましたが、手間やコストのほとんどかからない情報伝達手段が存在しなかったために非現実的なことだったのです。
消費者一人ひとりの個性を大切にするということは、たとえば顧客に対して何らかの情報を発信する場合に、単に同封する挨拶文に顧客の名前を差込印刷する程度ではなく、その顧客が希望する情報を的確に提供するということです。
それを郵便で実現しようと考えると、何万何千の顧客それぞれに違う内容のチラシやパンフレットを印刷して送ることになり、考えただけでも気が遠くなるような手間とコストがかかるのです。
しかし、いまではインターネットが会社だけでなく家庭にも普及していますので、企業はEメールとWEBサイトを利用することで、それほどコストと時間をかけずに、顧客との間に「One
to One」の関係を築くことが可能になったのです。
■パーソナライズドウェブ
アクセスする人専用にWEBページを自動的に生成して表示する仕組みをパーソナライズドウェブといいます。一般的なWEBサイトは、誰がアクセスしても同じものを表示する静的なものですが、パーソナライズドウェブはデータベースを利用しその人専用のページを表示するのです。
インターネットショップを例にすると、ただのショッピングのお客様も特定の商品の購入や情報を得るためにアクセスしてきたお客様も関係なく総合カタログを手渡しているようなもので、店員がいて説明してくれるわけでもないので、お客様が勝手に総合カタログから目的の商品を見つけるというような、実店舗では考えられないことが平気で行われているのです。このような場合、ショッピングのお客様には、全体を分かりやすく見やすくする必要がありますし、目的の商品が決まっているお客様には、その目的の商品の情報を的確に伝えればいいのです。
また、行きつけの飲食店であなたが毎回必ず注文する大好きなメニューがあるとします。そうした場合、「いつもの」という一言で、目的の物が出てくるのを期待するのは当然であり、「いつもの」が通じなくて何回いってもはじめてのお客様と同じように注文を聞かれたら「いい加減に覚えてくれ・・・・」という気分になるでしょう。
つまり、お客様はそれぞれ目的や来店頻度や性格が異なるわけですからそれぞれのお客様に合わせた対応をするのはごく当たり前のことなのです。
パーソナライズドウェブはそうしたごく当たり前のことを実現しようとするものであり、今後インターネットをビジネスに活用していく場合、当然のことになるのです。
パーソナライズドウェブとして最近よく例に出てくるのが、Yahoo! Japanの「My Yahoo!」で、IDとパスワードなどを登録すれば誰でも無料で自分専用のページが簡単に作ることが出来ます。この自分専用のページは、コンテンツやレイアウトを自分専用にカスタマイズすることが出来ますので、必要な情報を自分が見やすいレイアウトにすることが簡単に出来るのです。当然のことですが自分専用のページは、見やすく便利であり、利用する頻度も高くなります。
ただ、自分専用のページを作成するために興味のある項目を選択するということは、Yahoo! Japanに自分の必要としている情報を教えているのと同じだと言うことを承知しておく必要があります。Yahoo!
Japan側から見れば、どのユーザーが何に興味を持っているかは一目瞭然であり、彼らにとっても入手できる情報は利用価値が高いものになるのです。
また、インターネットバンキングなどで、過去の取引状況などを表示する自分専用の画面もパーソナライズどウェブと考えてよいでしょう。
つまり、パーソナライズドウェブは、お客様にとっても便利であると同時に企業側にとっても貴重な情報を入手できるという双方にとってメリットのある仕組みなのです。そうしたことから今後、パーソナライズドウェブは、どんどん普及しその人専用のWEBサイトが当たり前のことになると思われます。
■パーソナライズドメールパーソナライズドメールは、パーソナライズドウェブと同じように、その人にあわせた内容のメールを配信するというのが基本的な考え方です。本文の文頭に「○○○○様」を差し込むだけのメールが多いのですが、本来は内容が重要なのです。
企業から顧客へメールを出す場合、一通ずつメールを送信するのでは効率が悪すぎますので、一斉にメールを配信することになりますが、その際にどれだけパーソナライズすることが出来るかがメールの効果を左右します。
企業が送信するメールは、「送ること」が目的ではなく、読んでもらい商品の販売等に結びつけることが目的なので、如何に個々の顧客の興味をひく内容に出来るかが勝負なのです。
メールニュースなどは、事前に必要な情報のカテゴリを選択してもらい、そのカテゴリの情報だけをまとめて送信するというものがありますが、必要な情報を見逃すことなくまとめて配信してくれるので非常に便利です。
ただ、勘違いしてはならないのは、メールを「パーソナライズすること」が目的ではないということです。パーソナライズする必要のないメールも沢山存在しますし、絶対にパーソナライズしたほうが効果が上がると思われるメールもあるのです。
本来のパーソナライズとはいえないかも知れませんが、本文の文頭に会社名や氏名を差し込むだけでも、ないよりはましですし、本文の中に誕生日等の個人的な情報が記載されていればさらに効果的だと思います。
ただ、最近ではごく普通のインターネットユーザーでも毎日かなりの件数のメールが届きますので、件名を見ただけで本文を読まずに削除されてしまうということも十分に考えられます。この場合、いくら本文をパーソナライズしていても意味はなくなりますので、本文だけでなく件名もパーソナライズしておく必要があるのです。
件名を「○○○○様へのご案内」等とすれば、いきなり削除される確率はかなり低くなると思います。
パーソナライズドメール本来のメールの内容そのものを個々の配信先によって変更することが出来れば理想的ですが、現実的には顧客の属性によっていくつかのパターンを用意しておき、そのパターンの中にパーソナルな情報を埋め込むことでかなりの効果が上がると考えられます。
当社でも、BitMailPROというパーソナライズドメール一斉送信ソフトを利用してメールを配信していますが、メールの作り方によってレスポンスはかなり異なりますので、是非いろいろなパターンで検証してみると良いでしょう。
基本的には、何か顧客宛てにメールを配信するときに、3パターン程度文章を作成しておき、どのメールが効果が高いのかを分析することで、より効果的なメールを作成することが出来るのです。
毎回毎回同じパターンのメールを送っていたのでは、そうしたことは分析できませんから試行錯誤が大切なのです。
■まとめ
ユニクロのフリースが飛ぶように売れたように大量生産、大量販売がすべて否定されるわけでなく、販売する商品やサービスに最適な方法の選択肢が広がったということなのです。肝心なことは、自社のビジネスにとって最も効果的な方法を選択することであり、それがパーソナライズすることであれば、インターネットによってそれが実現可能になったということなのです。
100円ショップで個々のニーズに合わせた商品を提供するというのは考えられませんし、床屋さんで髪型の希望を聞いてもらえないこともありえないのです。
パーソナライズするかしないかの判断は、難しいところですが、客単価が低く大量に販売しなければならないものは、一般的に向かないと考えるべきでしょう。
また、WEBやメールをパーソナライズする為には、データベースが不可欠です。
データベースは、自動車で言えばエンジンであり、ボディがいくらスタイリッシュでもエンジンの無い車を購入するひとはいないでしょう。ボディはWEBだとすれば、これからは、ボディのかっこよさだけでなくエンジンの性能が重要になってくるということです。
そして、それらを総合的に判断して一人ひとりの顧客を見てビジネスを行うことが理想的でコスト的にも見合うならばパーソナライズすることを試す価値はあると思います。
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