RFM分析(2)
RFM分析は「良い顧客を見分ける」ための手法の一つで、最もシンプルで分かりやすい分析方法だと前回のレポートで説明しましたが、今回は、RFM分析の少し変わった利用方法についてご説明しましょう。
それは、RFM分析を「営業社員の評価」や「営業指導」に活用することです。
それには、二つの方法があり、顧客データを分析して得られる情報から営業に役立てる方法と営業データを直接分析する方法です。
二つの方法を組み合わせることで、営業に関係する様々な貴重な情報を得ることが出来るのです。
■顧客分析から得られる情報
顧客データをRFM分析することにより顧客のRFM値を得ることができますが、RFM分析で得られる情報はそれだけではありません。
顧客情報に営業担当スタッフの情報があれば、各営業スタッフの担当顧客が「良い顧客」かどうかという情報も得られます。
たとえば、スタッフ(A)は、RFM値の高い「良い顧客」を担当していて、スタッフ(B)は、RFM値のそれほど高くない顧客を担当しているとすれば、担当している顧客数に差がなければスタッフ(A)の方が高評価となりますし、会社にとっても重要になります。
スタッフ(A)は、担当顧客のRFM値の推移を今後も注意深く見ていくことで「良い顧客」を維持することが出来ますし、「良い顧客」の候補を見つけ出しさらに多くの「良い顧客」を自分の担当とすることも可能になります。
一方、スタッフ(B)は、なぜ自身の担当顧客のRFM値が低いのかを考えることで、営業方法等の問題点を発見し営業方法を改善する機会を得ることが出来ます。さらに現在の担当顧客のRFM値を上げる努力をすべきか、新たな顧客獲得に力を入れるかなど今後の営業活動の進め方を判断することも出来るのです。
こうした判断をする場合にも、どの顧客は伸ばし、どの顧客をあきらめるかの判断は難しいものですがRFM値は非常に重要な判断材料となります。
■顧客分析ではなく営業社員分析に利用する方法
次に顧客データの分析ではなく、営業データを分析する場合について説明しましょう。
「RFM分析は、誰が一番最近買い物に来た顧客か、頻繁に来店する顧客は誰か、一番お金を使ってくれている顧客は誰か、という3つの側面から顧客を分析する手法」
と前回のレポートでは説明しましたが、次のように読み替えれば営業分析として利用出来ることは想像がつくと思います。
「RFM分析は、誰が一番最近販売実績をあげたスタッフか、販売件数の多いスタッフは誰か、一番売上が良いスタッフは誰か、という3つの側面からスタッフを分析する手法」
分析対象となるデータベースのテーブルが次に様に替わると考えると分かりやすいかも知れません。
| 顧客分析の場合 |
|
営業分析の場合 |
| 顧客の情報 |
→ |
営業スタッフの情報 |
| 購買履歴 |
→ |
営業履歴 |
つまり、営業スタッフの営業履歴を管理するデータベースを用意して、RFM分析を行うことで営業スタッフを評価することができるのです。
結果は通常の顧客分析のときと同じで、RFM値が555となればつい最近も販売実績があり、成約件数も多く、販売金額累計も高いということになります。
例としていくつかのRFM値の評価を紹介しましょう。
- 555・・・説明するまでもなくすばらしい
551・・・販売に成功しているが額が低いものばかり
515・・・大口の顧客による売上はあるが継続性に疑問
511・・・つい先日初めて販売実績を上げた
333・・・平均的な営業スタッフ
151・・・過去に額の小さい販売実績が多数ある
115・・・過去に大口の販売実績だけでその後がない
155・・・最近めっきり販売実績がない
111・・・営業が向いていない可能性大
これらは、ある特定の分析日のRFM値による評価ですが、毎月決まった日に分析を行ってRFM値の推移を見ていけば、営業スタッフの最近の状態も把握することが出来ます。
たとえば、5ヶ月間のRFM値の推移を評価すると次のようになります。
- 511→522→533→544→555・・・順調に売上を伸ばしている
511→521→531→542→542・・・販売件数は伸びているが額が小さい
511→411→513→413→313・・・一度ある程度の額の契約を取ったが継続性がない
511→411→311→211→111・・・まったく売れていない状態が続いている
534→545→445→345→245・・・ある時期を境に販売に結びついていない
このように、分析日ごとのRFM値とこれまでのRFM値の推移をあわせて見ていくことで営業スタッフが現在どのような状況にあるのかということや、営業特性も把握することができるようになります。
■まとめ
RFM分析は、顧客を分析するための方法という固定概念で縛られるのではなく営業分析として利用することで、これまでわかりにくかった各営業スタッフの営業特性や最近の状況などをRFM値として読み取ることが出来ます。
また、仮に売上が伸びない営業スタッフがいたとしてもRFM値により状況を把握できますので、上司はこれまで以上に適切なアドバイスを行うこともできるでしょう。
さらに各営業スタッフが営業スタイルを改善することで、顧客全体のRFM値の推移や各営業スタッフのRFM値も向上してきますので、結果として会社全体の売上も向上することになります。
RFM分析を顧客分析として利用する場合は、顧客のデータが購買履歴も含めてきちんと管理されている必要がありましたが、営業分析の場合データベースを用意して今日からでもデータを入力していくことで1ヶ月もすれば分析可能な状態になる即効性も魅力です。
是非、お試しください。
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